ボックスカメラで撮影しよう【Ansco READY FLASH、Kodak Brownie Flash Ⅱ、620フィルムを使用】

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Ansco READY FLASH Kodak Brownie Flash Ⅱ

Ansco READY FLASHとKodak Brownie Flash Ⅱ

 上の写真は、左からAnsco READY FLASH、Kodak Brownie Flash Ⅱです。ふとしたきっかけでこれらのカメラを思い出しました。どちらも購入したのは十年以上も前になりますね。

 これらのカメラは本来、既に製造中止になっている620フィルムを使用します。なのですが、ブローニーフィルムも使えなくはないので、このカメラたちで撮影してみようかなという気になりました(詳しくは後述)。

 これらはどちらもシャッタースピード定速、絞りなし、ピント固定という非常にシンプルなカメラです。ただ、Kodak Brownie Flash Ⅱの方はバルブと接写モードがあって、少しだけ高機能かな。

 そして、撮影する際に注意しなければならないのが“手ぶれ”。シャッタースピードが明らかに遅いからです。シャッターを切ってみた感じでは、たぶんですがAnsco READY FLASHは1/15秒、Kodak Brownie Flash Ⅱは1/30秒くらい。どこかに寄りかかるか、カメラを置いたりして撮るのが良さそうです。

620フィルムのスプールへブローニーフィルムを巻き直す

ブローニーフィルム 620フィルム
写真左からブローニーフィルムのスプール、ブローニーフィルム、620フィルムのスプール、620フィルムのスプールにブローニーフィルムを巻き直したもの。ブローニーフィルムは今回、Kodak PORTRA 160を使用。

 前述のように、Ansco READY FLASHとKodak Brownie Flash Ⅱ は本来、既に製造中止になっている620フィルムを使用します。ただし、ブローニーフィルムも使えなくはありません。

 Ansco READY FLASHは、巻き上げ側は620フィルムのスプールに対応した形状なのですが、ブローニーフィルムとそのスプールをそのまま装填しても問題なくフィルムが送られました。

 しかし、Kodak Brownie Flash Ⅱ は、ブローニーフィルムとそのスプールをそのまま装填すると、スプールの円盤部分の厚みが違うせいでフィルムがずれて上手く送られないんですよね。そのため、こちらを使うにはちょっとだけ手間をかける必要があります。具体的には、620フィルムのスプールへのブローニーフィルムの巻き直し。この作業は、次のようにして行いました。

HASSELBLAD 500C/Mにブローニーフィルムを装填し、レンズにキャップをしたままシャッターを切ってフィルムを全部巻き上げ。
そのフィルムを取り出してダークバッグの中に入れ、一緒に620フィルムのスプールも入れて、手探りでそちらに巻き直し。

 そうしてできたのが、上の写真の右端にあるもの。これと620フィルムのスプールをセットで装填することで、Kodak Brownie Flash IIで撮影できるようになりました。

上の2枚の写真:Nikon D300, Ai Nikkor 50mm F1.4


 実際に撮影した写真は、以下になります。

Ansco READY FLASHで撮った写真

 まずは、Ansco READY FLASHから。フィルムは前述のように、Kodak PORTRA 160NCです

団地の花

団地の花
 もっとひどいかと思いましたが、意外に良く撮れました。レンズの解像力は低いし、糸巻き型の歪曲収差もすごいし、近い所はピントが合わないし、周辺画質と光量の低下もひどいですが、それはそれでアリのような気がします。

昭和の立派なお家
 昭和な感じの立派なお家が、良い雰囲気で撮れました。これくらの引きなら、まあまあ写る感じです。ただ、上の方の光が強い部分は、ハレーションが出てますね。

赤塚城本丸跡

赤塚城本丸跡

赤塚城本丸跡
 場所は、赤塚城本丸跡です。森の木々にレンズを向けて、その上にある太陽をファインダーの右上端に入れながら撮ったら、やはりハレーションで白くなりました。

 そして、その森の中に入って森の外にレンズを向けて撮ったら光が足りなくてほとんど真っ黒になったのと同時に、差し込んでくる光で色収差が出ました。このカメラは、向かってくる光に弱いですね。

Kodak Brownie Flash Ⅱで撮った写真

 続きまして、Kodak Brownie Flash Ⅱです。フィルムは同じく、Kodak PORTRA 160NCです

歩道橋
 近所の歩道橋を撮りました。レンズの描写はかなり甘いですが、それは“雰囲気”という感じで撮れたのではないでしょうか。

公園の遊具

公園の遊具

公園の遊具
 近所の公園の遊具です。分かってはましたが、逆光にはかなり弱いですね。色収差がすごいです。

少年たちの旅
 赤塚城本丸跡にて。この写真なんかは逆光ではなく、むしろ順光に近いのにも関わらず、空の明るさでハレーションを起こしてます。また、色収差も見られますね。ただ、ボックスカメラにそこまで求めるのは酷でしょう。

終わりに

 今回使用したKodak Brownie Flash ⅡとAnsco READY FLASHは思ったとおりにはまず撮れないカメラです。ファインダー像は適当だし、ピントはどこに来るのかよく分からないし、シャッタースピードも絞りも調節できないし、その他諸々…。

 しかし、だからこそ安い価格で一般大衆向けに大量生産できて、写真の普及に一役買ったのか。それが今回使ってみて実感できた気がします。そして、こうした歴史的役割を加味すれば、ボックスカメラを見る目も少し変わってくるというもの。

 雰囲気のある写真も撮れるし、容姿も可愛いですしね。


Ansco READY FLASH Kodak Brownie Flash Ⅱ

Nikon D300, Ai Nikkor 50mm F1.4

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