Nikon Z 7IIを購入【D850と2台持ち、違い・感想などをレビュー】

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Nikon Z 7II

Nikon D850, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F8, 1/125, ISO 1800


 Nikon Z 7IIを購入しました。デジタル一眼はNikon D850を所有しているのですが、いろいろなオールドレンズで写真を撮りたかったために、購入です。ただ、D850は下取りに出したりせずに、まだ手元に残しておきます(理由は後述)。

 というわけで今回は、新たに入手したZ 7IIについて(まだ少ししか撮影していませんが)、D850ユーザーとしての感想を書いてみたいと思います。

はじめに:使用レンズ・観点などについて

オールドレンズ

Nikon D850, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F11, 1/125, ISO 900


左からLeica Summaron 35mm F3.5(L39マウント)、Leica Summicron 50mm F2(沈胴)、Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8。

 前述のように、Z 7IIは基本的にオールドレンズでの写真撮影に使用します(主にスナップを撮ります)。装着するオールドレンズは、上の写真にあるようなレンズ。全てマニュアルなので、1枚1枚ピントリングを回してピントを合わせ、比較的じっくりと撮ります。そのため、このレビューではAFや連射、動画撮影などの性能については触れません

 また、少し前にZ6をレンタルして2か月間ほど使用していたので、Zシリーズの使い方はある程度は分かっているつもりです。ちなみに、Z6を使用しているときに、上の写真にあるオールドレンズを購入しました。

 そして、以前から所有しているD850と比較する形でのレビューになります。

Z 7IIの良い点

オールドレンズでの撮影が可能

Z 7II + Leica Summicron 50mm F2 Collapsible

Nikon D850, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F22, 1/125, ISO 12800


 前述のように、Z 7IIを購入したのは、いろいろなオールドレンズでの撮影が可能だから。たとえば、LeicaやCarl Zeiss Jenaなどのレンズです。ちなみに、上の写真ではLeica Summicron 50mm F2(沈胴)を装着。マウントアダプターは、Voigtlander VM-Z Close Focus Adapterです。

 D850では、上記のようなレンズでの撮影は基本的に不可です。

※価格は2020年12月25日時点のものであり、変更されている場合があります。

コンパクトで軽いので気軽に持ち出せる

Z 7IIとD850の寸法・質量(カタログ値)

Z 7II 寸法(幅×高さ×奥行き) 約134×100.5×69.5mm
質量 約705g(バッテリーおよびメモリーカードを含む、ボディーキャップを除く)、約615g(本体のみ)
D850 寸法(幅×高さ×奥行き) 約146×124×78.5mm
質量 約1005g(バッテリーおよびXQDカードを含む、ボディーキャップを除く)、約915g(本体のみ)

出典(Z 7II):www.nikon-image.com
出典(D850):www.nikon-image.com

 寸法と質量のカタログ値は上表のようになっており、Z 7IIの方が軽くて小さいです。

実際に持った感じも、かなりコンパクト

Z 7II D850

iPhone 7, F1.8, 1/100


 上の写真は、左がZ 7II + マウントアダプター Voigtlander VM-Z Close Focus Adapter + Leica Summicron 50mm F2(沈胴)、右がD850 + Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZFです。焦点距離と開放F値が同じレンズを装着した状態なのですが、Z 7IIの方がかなりコンパクトにまとまっています。なので、気軽に持ち出せるのはZ 7IIですね。

 ただし、D850の大きさ・重さが絶対的に悪いわけではありません。下の写真のように、大きなレンズを装着する場合はD850の方がバランスが良く、安定感があります(下の写真のレンズはCarl Zeiss Distagon T* 2.8/15 ZF.2)。

D850 + Carl Zeiss Distagon T* 2.8/15 ZF.2

Nikon Z 7II, Rayqual NF-NZ, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F22, 1/125, ISO 11400


 なので、装着するレンズによってZ 7IIとD850を使い分けるのもアリかもです。

EVFが見やすい・ピント合わせがしやすい

Z 7IIのファインダー内

iPhone 7, F1.8, 1/70


Z 7IIのファインダー内。ピントが合っている部分は、ピーキング機能によって赤く表示される。

Z 7IIのファインダー内 拡大

iPhone 7, F1.8, 1/70


Z 7IIのファインダー内で拡大表示した場合。

D850のファインダー内

iPhone 7, F1.8, 1/20


D850のファインダー内。

Z 7IIのファインダー倍率は0.8倍と大きい(ただし、D850との違いは僅か)、視野率は約100%でD850と同じ

 Z 7IIのEVF(電子ビューファインダー)は0.8倍で、D850の光学ファインダー0.75倍より大きいです。ただし、そんなに違う感じはせず、覗き比べてみてようやく分かる程度の違いですね。

 視野率は、どちらも約100%と同じです。

露出補正が反映されて明るくなる

 上の写真は逆光気味にしているのですが、Z 7IIのEVFには露出補正が反映されて、明るくなって見やすくなります。これはD850の光学ファインダーにはできません。

ピーキング機能でピント合わせを補助

 D850には、フォーカスエイドがあります。これは、選んだフォーカスポイントでピントが合うと、ファインダー内の左下にあるピント表示(●)が点灯して知らせてくれる、という機能。

 この機能はZ 7IIにはありません。しかし、Z 7IIにはピントが合っている面を赤く表示するピーキング機能があるので、問題ないです。むしろ、ピーキングの方がピントを合わせやすいと思いました。

拡大表示で厳密なピント合わせが可能

 Z 7IIでは、選んだフォーカスポイントを拡大表示する機能があり、これにより厳密なピント合わせが可能になります。静物を撮影する際には、この機能がかなり役立ちますね。これはD850の光学ファインダーにはできません。

カメラ内手ブレ補正機能がある

Z 7II カメラ内手ブレ補正機能

Nikon D850, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F8, 1/125, ISO 1100


 Z 7IIには、約5.0段分のカメラ内手ブレ補正機能があります。これは、D850にはありません。今のところ効果を発揮する場面で撮影していないのですが、いずれ役に立ちそうです。

レンズ情報手動設定の数が“20”もある

Z 7II レンズ情報手動設定

Nikon D850, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F8, 1/125, ISO 1400


 Z 7IIでは、レンズ情報手動設定に登録できる数が“20”あります。これが、D850には“9”しかありません。

 筆者は、D850を使っていて、登録し切れないレンズを装着するときには、その都度「焦点距離(mm)」と「開放絞り値」を設定してたのですが、これがけっこう面倒に感じていました。しかし、Z 7IIではより多くのレンズを登録できるので、使いやすくなります。

Z 7IIの悪い点(D850の方が良い点)

露出計連動レバーがない(AI方式レンズの絞りリングで設定したF値がカメラに伝わらない)

D850 露出計連動レバー

Nikon Z 7II, Rayqual NF-NZ, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F11, 1/125, ISO 1600


 D850のFマウントの右上にある突起は、露出計連動レバー。FマウントのAI方式レンズでは、これとレンズの露出計連動ガイド(絞りリングに設けられた段差)が連動することで、レンズの絞りリングで設定したF値をカメラに伝えることができます。このF値を、D850はファインダーに表示し、Exifへも記録します。そして、筆者はAI方式レンズを9本所有していて、その全てで絞りリングでF値を設定しています(9本のうち3本はCPU付きで、カメラのコマンドダイヤルでF値を変えることもできますが、やはり絞りリングを使いたいのです)。

Nikon Z 7II

Nikon D850, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F8, 1/125, ISO 1800


 しかし、Z 7IIはFマウントではなくZマウントなので、露出計連動レバーはもちろんありません。また、露出計連動レバーが付いたマウントアダプターは、現時点では発売されていないようです。そのため、AI方式レンズをマウントアダプター経由でZ 7IIに装着し、絞りリングでF値を設定しても、それがカメラに伝わりません(したがって、ファインダー内でF値を確認できず、Exifにも記録されない…)。

 筆者は絞りリングでF値を設定したいので、所有しているAI方式レンズを使うのにはD850の方が適しているんですよね。これが、D850を手元に残している大きな理由です。

ファインダー内水準器がイマイチ

Z 7IIのファインダー内水準器は中央に表示されるので少し邪魔、表示/非表示の切り替えが手間

Z 7IIのファインダー内 水準器

iPhone 7, F1.8, 1/70


 Z 7IIでは、ファインダー内水準器がファインダー内の中央に表示されるのですが、これが少し邪魔に感じます。そのため、水平を確認したら、いちいち非表示にしてシャッターを切っています。水準器が中央ではなく、端の邪魔にならない位置に表示してくれたら良いと思いました(後述しますが、D850ではそうなってます)。

Z 7IIのボタン

Nikon D850, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F2, 1/160, ISO 100


 また、水準器を表示させるには、画像モニターの右上にあるDISPボタンを何度か押す必要があり、これも少し手間。1回のボタン操作で表示/非表示を切り替えられたら良かったと思いました。

 さらに、DISPボタンは、カメラを手持ちする場合、ファインダーを覗きながら右手の親指で押すことになるのですが、位置が少し遠くて押しにくいです。

D850のファインダー内水準器は端に表示されるので邪魔にならない、表示/非表示の切り替えが容易

D850のファインダー内

iPhone 7, F1.8, 1/20


 D850は、水準器がファインダーの下と右の端に表示されるので邪魔になりません。そのため、いちいち非表示にせずに、表示したままシャッターを切っています。これが使いやすいと思いますね。

D850 Fn1ボタン

Nikon Z 7II, Rayqual NF-NZ, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F11, 1/125, ISO 1250


 また、水準器の表示/非表示は、Fマウントの左下にあるFn1ボタンに割り当てているのですが、これの一度の操作で切り替えられるので便利です。

バッテリーの持ちが悪い

Z 7II バッテリー

Nikon D850, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F8, 1/125, ISO 2200


 撮影可能なコマ数は、D850は約1,840コマですが、Z 7IIは約380コマ(EVF使用時)しかありません。だいぶ違いますね。

 実際に使ってみた感じでも、違いは明らか。D850の撮影では、バッテリーの残量はほとんど気にしたことはありませんでした。唯一、ある日の昼12時過ぎから夜7時過ぎまでに約1,300コマの撮影をしたときに、「バッテリーの残りが少なくなってきたな」と思ったくらいです。

 しかし、Z 7IIの方は、使っているうちに(ファインダーを覗いているだけでも)バッテリーがみるみる減っていき、気づいたら残り僅かになっています。やはり、ミラーレスはEVFなど電子的な機能が多い分、一眼レフに比べて、消費電力がどうしても大きくなりますね。Z 7IIでの撮影には、予備バッテリーは必須ではないでしょうか。

撮り比べ(センサーは同じだけど、一応)

Z 7IIで撮影 ドロンボー一味

Nikon Z 7II, Rayqual NF-NZ, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F5.6, 1/125, ISO 400


 まずは、Z 7II + マウントアダプター Rayqual NF-NZ + Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZFで撮影した写真です。

D850で撮影 ドロンボー一味

Nikon D850, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F5.6, 1/125, ISO 720


 次に、D850 + Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZFで撮影した写真です。

 デジタルカメラの心臓部とも言えるセンサーは、Z 7IIとD850で同じ。どちらも、有効画素数4575万画素でISO 64~25600を実現した、裏面照射型のローパスフィルターレスのCMOSセンサーを搭載しています。上の2枚の写真は、両機に同じレンズ(Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF)を装着して撮ったものですが、やはり画質に違いはほぼ見られないですね。

 ちなみに、この記事に掲載している写真のうち、D850が写っているものは、Z 7IIにCarl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZFを装着して撮りました。逆に、Z 7IIが写っているものは、D850にCarl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZFを装着して撮っています。以下に、1枚ずつ抜粋して再掲。

D850 + Carl Zeiss Distagon T* 2.8/15 ZF.2

Nikon Z 7II, Rayqual NF-NZ, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F22, 1/125, ISO 11400


 Z 7II + マウントアダプター Rayqual NF-NZ + Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZFで撮影した写真。

Z 7II + Leica Summicron 50mm F2 Collapsible

Nikon D850, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F22, 1/125, ISO 12800


 こちらは、D850 + Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZFで撮影した写真です。

その他

 以下は比較ではなく、Z 7IIとD850の2台を所有するに当たって感じたことです。

SDカードを共用できるのが良い

Z 7II SDカードスロット

Nikon D850, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F8, 1/125, ISO 4000


 上の写真は、Z 7IIのSDカードスロットとCFexpress/XQDカードスロット。同じスロットがD850にもあり、D850で使用していたSDカードを有効に活用できます。

 ちなみに、前モデルのZ7を購入しなかったのは、SDカードスロットがなかったからです。

バッテリーと充電器を共用できるのが良い

Z 7IIとD850のバッテリー 充電器

iPhone 7, F1.8, 1/109


奥がD850に付属の充電器MH-25。手前のバッテリーは、左からD850に付属のEN-EL15、D850の予備に購入したEN-EL15b、Z 7IIに付属のEN-EL15c。

 Z 7IIとD850のバッテリーには互換性があるため、充電器も含めて共用が可能。前述のように、Z 7IIはバッテリーの持ちが悪く、予備バッテリーが欠かせないのですが、手元にあるD850に使っていたバッテリー2個が流用できるので、別に購入しなくて済みました。

ボタンの配置に戸惑う

Z 7IIのボタン

Nikon D850, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F2, 1/160, ISO 100


Z 7IIのボタン。

D850のボタン

Nikon Z 7II, Rayqual NF-NZ, Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF, F8, 1/125, ISO 450


D850のボタン。

 Z 7IIとD850ではボタンの配置がかなり異なるので、戸惑います。具体的には「MENU」、「+」、「-」、「OK」のボタンが、Z 7IIでは画像モニターの右側、D850では左側にあるので、押そうとするときに手が一瞬止まってしまいます。これが何度か続くと、それなりのストレスに…。まあ、慣れるしかありませんね。

おわりに

 上記のNikon Z 7IIについての感想は、D850でマニュアルレンズを使ってきた筆者が、やはりマニュアルのオールドレンズを使うことを前提として書いたものです。なので、最近のAFレンズを使用するカメラファンの方たちには、全く参考にならないかも…。

 しかし、AFレンズは今のとろ購入する予定はなく、既にオールドレンズをいくつも購入しているので、今後もマニュアルで撮っていくことになると思います。

※価格は2020年12月25日時点のものであり、変更されている場合があります。

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