ILFORD SFX 200を買いました(上の写真)。これは720nm(ナノメートル)にピークを持ち、740nmくらいまで感度のある、モノクロの赤外フィルムです。可視光はだいたい380nm~760nmくらいなので、ILFORD SFX 200は純然たる赤外線を写せるわけではないのですが、色として赤に見えるのは720nmくらいまでなので、その外側を写すことができる、ということになります。
ちなみに、通常のモノクロフィルムの感度は、だいたい380nm~650nmくらいです。
ただ、ILFORD SFX 200は380nmくらいから感度があるので、そのまま撮ると通常のモノクロフィルムと同じ波長も写ってしまい、そちらの方が見える赤の外側よりも割合が多いので、普通のモノクロ写真とあまり変わらなくなってしまいます。そこで、
720nmより短い波長を遮断する富士フイルムのゼラチンフィルター、SC-72を使います。これとILFORD SFX 200を組み合わせれば、720nm~740nmくらいの、普通のモノクロフィルムには写らない、また目にはほとんど見えない波長だけを撮影できるようになります。
ただし、ここで注意しなければならないことが。前述のように、SC-72は720nmより短い波長、つまり可視光の多くを遮断するのでほぼ黒になり、レンズに装着すると、レンズを通して像が見えなくなります。これは、一眼レフだとファインダーが真っ黒になってしまうということで、そのため一眼レフでは少し使いにくいと言えます(三脚を用い、フィルターなしで構図やピントを決めてから、フィルターを装着して撮る、という方法はありますが…)。
そこで登場するのが、二眼レフのROLLEIFLEX 3.5F Xenotar 75mm。二眼レフなら、SC-72をテイクレンズに装着しても、ビューレンズでファインダーを普通に見ることができるからです。
そして、レンズに装着するためにSC-72をカットして、余っていたkenkoのフィルター枠にはめ込みました。すると、
こうなりました。フィルター SC-72は、本当に真っ黒ですね。
それから、注意点はまだ他にも。SC-72は可視光の多くを遮断するので、その分、露出をプラス補正する必要があります。これは、調べてみるとプラス4段とのこと。
また、ピントも補正しなければなりません。基本的に、レンズは通常目に見える光でピントが合うようになっており、それでピントを合わせても、今回撮るような720nm~の長い波長の光では後ピンになってしまうからです。なので、ファインダーでは少し前ピンにする必要があります。絞って被写界深度を深くするのも有効。
ということで、実際に撮影し、フィルムを現像しました。これからスキャンします。どう写っているか楽しみ。
出来上がった赤外写真は、以下の記事に掲載しています。